評価・通知表について
資料作成 2005.07.08 アトランタ補習授業校 矢橋良栄
 
1.はじめに
2.通知表の意義
3.指導要録の改訂
4.絶対評価とこれからの評価の基本的な考え方
5.多様な評価方法
6.その他のポイント
7.通知表の例
【引用・参考資料】
 
1.はじめに
 通知表は、指導要録と違って法定表簿ではありません。形式や内容についても、学校により異なります。保護者との面談を行って出していない学校もあります。勿論、補習授業校は日本で言う正式な学校ではありませんから、通知表や指導要録を作成していない事も多いはずです。
 しかし、子ども達の学習記録として何かしらの記録書類は必要です。家庭と学校が連携して教育していくためにも、また、子ども達自身にとっての励みとなるように、学習や生活についての通信は必要であると言えます。
 
2.通知表の意義
 通知表の意義は、「児童・生徒の学習の状況や成果、あるいは行動・性格・健康などの状況を家庭に連絡し、学校と家庭が協力を密にし、児童・生徒についての理解を深め、教育の効果を高めるためのもの」(東京都教育委員会の通知文より)です。言い換えれば子ども達の力を伸ばすためのものであり、やる気や頑張ろうとする気持ちを引き出すものでなければなれません。
 また、学習を評価することの意義としては、以下の事を把握し、次の指導に生かすことにあると考えられます。
 
 @ 子どもの学習状況・学習上の問題点・学力の実態
 A 子どもの学習に対する興味・関心
 B 教師の指導方法・指導計画
 C 指導記録等の資料 等
 
3.指導要録の改訂
 学習指導要領の改訂に伴い、指導要録も改訂され、観点別学習状況や絶対評価が重視されるようになりました。通知表は指導要録とは異なりますが、指導要録改訂のために、教育課程審議会の答申を受け、国立教育施策研究所が研究開発を行い報告した「評価規準の作成.評価方法の工夫改善のための参考資料」は、各学年・教科の評価基準などの基本・参考になる部分が大変多く含まれています。
 通知表の改訂や作成にあたっては、学習指導要領の精神や指導要録の観点別学習状況の評価などの内容を吟味し、子ども達の実態に即して行います。本校の通知表もこの資料を活用しています。ぜひご覧下さい。
 
  【資料リンク:評価規準の作成.評価方法の工夫改善のための参考資料】
 
4.絶対評価とこれからの評価の基本的な考え方
 学習の評価には、相対評価といわれるその集団の中で数段階に分けるとどの位置にいるかというものや、絶対評価といわれる、個人個人としての学習の達成状況を評価するものがあります。これらはそれぞれに意味が違うわけですが、戦後、教育評価の主流を占めてきた5段階相対評価は、昭和40年ごろから、様々な問題が指摘されました。
 昭和55年度より指導要録の中に到達度を考えた絶対評価が取り入れられ、通知表も変わりましたが、現在、教育課程審議会答申では、これからの評価の基本的な考えが次のように示され、通知表もさらに大きく変わってきています。
 
 @ 学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価(いわゆる絶対評価)  を一層重視し、観点別学習状況の評価を基本として、児童生徒の学習の到達度を適切  に評価していく。
 A 個人内評価(児童生徒ごとの良い点や可能性、進歩の状況などの評価)を工夫する。
 B 集団に準拠した評価については、児童生徒の発達段階などに配慮した上で、目的に  応じて指導に生かす。
 
5.多様な評価方法
 評価の視点や観点はペーパーテストだけではありません。
 知識の量や理解の度合いだけをテストの点数だけで決めてしまうことのないように注意する必要があります。ノートや発表、作品、授業での様子・・・様々な視点をもちましょう。一般のテスト以外にどのような視点で評価できるか、必ず考えてみて下さい。
 例えば、テスト以外の視点としては、次のようになります。

 

     通知表の項目

     評価の視点



国 語

 

文章を正しく分かりやすく書ける

国語のノート・作文

自分の考えがはっきり話せる

授業での発表・話し方大会

文章を正しく読み理解できる

国語のノート・授業での発表・音読

文字を正しくていねいに書ける

国語のノート・プリント


算数


 

計算が正しくできる。。

授業の発表・算数のノート・プリント

すじみちをたてて考えられる。

授業の発表・グループ学習

基礎的なことを理解できる。
 

授業の発表・算数のノート・プリント
 
 
 また、一般のペーパーテスト以外の評価方法の例としては以下のようなものがあります。

@

観察法

学習状況を観察し資料化する

A

質問紙法

把握したい内容について記述等で答えさせる

B

チェックリスト法

ある観点で学習状況をチェックする

C

自己評価法

学習者自身に学習状況を評価させる

D

相互評価法

友達の学習状況を互いに評価する

E

ポートフォリオ

指導の過程における資料等をファイルし活用する

F
 

テスト法
 

ある観点から作成された問題によって学習結果を把握する
 
 
6.その他のポイント
 @ 所見欄
   必ず子どもの長所に視点をあて、励みになる記述をしましょう。そのためにも、日  頃からの記録をとっておくことが大切です。また、人権尊重上の表記にも十分気を付  けて下さい。そして、話し言葉でなく、書き言葉で書いて下さい。
   ・あったかい→あたたかい ・けど→けれど、しかし、
   また、通知表でよくある漢字の間違いにも気を付けましょう。
   ・(誤)友だち同志→友だち同士
   ・(誤)暖かい気持ち→温かい気持ち
   ・(誤)手を上げる→手を挙げる
 A 通知表の点検
   通知表は必ず校長の決裁を受けることが大切です。
 B 配付
   通知表を子ども達に渡すとき、事務的に渡すのではなく、励ましの一声をかけて手  渡すことにより、担任の思いが伝わります。このとき、通知表の見方等についての文  書(学校だよりや学級だより)があると良いでしょう。
 
7.通知表の例
 本校では、各学年こどの通知表ではなく、幼稚部・小学部低学年(1・2年)・小学部中学年(3・4年)・小学部高学年(5・6年)・中学部(1〜3年)・高等部(1・2年)の6種類の通知表を使用しています。
 以下が、その中から小学部高学年で使用している通知表です。
 
(裏表紙・表表紙)
 
 
 
 
 
(学習の記録・見開きの左ページ)
 
(行動の記録・見開きの右ページ)
【 引用・参考資料 】
・評価規準の作成.評価方法の工夫改善のための参考資料
   −評価規準.評価方法等の研究開発(報告)− 
              国立教育施策研究所教育課程研究センター
・学校文書作成ハンドブック  第一法規