明日は中高等部の卒業式となりますが、全校の児童生徒にとっても今年度最後の授業(修了)となります。分散登校の一年間、多くの方にお力添いをいただき、今日を迎えることができました。 本当にありがとうございました。
卒業生には、次の言葉を贈りたいと思います。
Think Globally, Act Locally.
地球規模で考えて、足元から行動しよう!
現在の世界は、一部で“負の連鎖”が断ち切れないように見えます。しかし人間の手で始めた争いは、人間の手で防げるはずです。 「ユネスコ憲章」には“戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない”と書かれています。今、争いを起こさない心の輪を広げていくことが大切です。
1991年12月末、ソ連が崩壊してロシアが誕生しました。その時にあわせたかのように、私は新潟からハバロフスクへ渡り、首都モスクワまで約2万キロをシベリア鉄道で横断しました。10日間の旅で立ち寄れたのはイルクーツクとバイカル湖だけ、厳寒の大地を車窓から眺めるだけでした。それでもスパシーバ(ありがとう)、ダスビダーニャ(さようなら)など、片言のロシア語で現地の人と交わすコミュニケーションは有意義でした。 モスクワで開店したばかりのマクドナルドは長蛇の列、ルーブルは下落、食糧は不足し、ホテルは薄暗く心細かったものの、ロシアの人たちは温かく迎え入れてくれました。 こうして30年前のことを思い出すのは、連日テレビに映し出されるウクライナの子どもの表情が離れないからです。
ジョン・レノンの“イマジン”を思います。
Imagine all the people, Living life in peace・・・
皆さんがこれから歩んでいく道は思うようにいかないこともあるでしょう。そんな時は本を読み、友と交わり、旅をして世界の深さや広さ、複雑さを学んでください。 よいことばかりとは限りません。矛盾に悩み、挫折することもあるでしょう。しかし、たくさんの経験が“力”を育みます。 “一歩後退、二歩前進”です。
好きなチャップリンの“言葉”を、最後にします。
「どこまでも続く長い道でも、ゴールは必ずある。どんなに辛くてもゴールした時の喜びはダイヤモンドにも代えがたい。だから、僕は生きている」
2022年3月18日
アトランタ補習授業校
校 長 小 泉 敦