教員としての喜びは、「授業」を通して子どもたちの変容(成長)に出会うことです。そのために創意工夫して、教材研究をします。それはまるで食材にこだわり、段取りを考えて、「美味しい」と思ってもらえるよう準備する料理人のようです。
小学部3年で、保護者にゲストティーチャーとして協力いただき、国語「仕事のくふう、見つけたよ」の単元に取り組む、興味深い授業がありました。
日本髪や着付けをする美容師、日本伝統工芸の刺繍師、聴診器を使い子どもに向き合う小児科医、ファスナーを作るエンジニアなど、その道で活躍する保護者が「先生」として子どもたちに向き合っていました。キャリア教育ともいえる素晴らしい取り組みで、真剣に、そして好奇な目で見つめる子どもたちの表情が印象的でした。
ゲストティーチャーの方が伝えていた、「病気の子どもが元気になってくれることがうれしい」(小児科医)、「必要なものを、必要な人のためにつくり、使ってもらえることがうれしい」(エンジニア)という仕事へのやりがいについて、子どもたちはどのように受け止めていたのでしょう。きっと、学ぶことが多かったように思います。
補習校では国語、算数(数学)が学びの中心になりますが、こうした創意を生かした授業は、子どもたちの心に響きます。高等部国語の授業でも新聞記事(8月9日付、長崎の被爆樹木)を活用して、話し合いを行っていました。私も資料を読みましたが、「目から消え去るものは、心からも消え去る」という言葉が心に留まりました。
小学部2年生の絵日記を紹介します。夏休みは夢花火のように、楽しいひとときだったのでしょうね。
「日本についたとき、うれしくてたまりませんでした。わたしは早くおばあちゃん、おじいちゃんにあいたくて、しょうがなかったです・・早おきをしておばあちゃんやお母さん、おじいちゃんにごはんを作りました。一ばんたのしい生活でした。わたしは日本がせかい一、大大大好きです!!」
「わたしはニューヨークへ行ってきました。ブロードウェイでライオンキングを見ました・・つぎのひ、ふねにのってじゆうのめがみを見ました。よるはエンパイアステートビルからやけいを見ました。また、行ってみたいです」
「わたしはこの夏、日本に一時帰国しました。アメリカに行くまで住んでいた町に行き、ようちえんの時の一番の仲良しだったお友だちと遊びました・・帰るときはとってもかなしくて、ないてしまいました。また、みんなにあいたいです」
2022年8月19日
アトランタ補習授業校
校 長 小 泉 敦