今夏の全国高校野球選手権大会は宮城県代表の仙台育英高校が優勝し、長い歴史の中で東北勢がはじめて悲願の頂点に立ちました。過去12回、東北のチームは甲子園の決勝でことごとくはねつけられていました。
1969年夏の青森県三沢高校と松山商(愛媛県)の決勝戦、小学生だった私もテレビの前にかじりついて応援しました。三沢の太田幸司投手が延長18回引き分け再試合を一人で投げ抜いた姿は、半世紀以上たった今でも思い出せます。
今年は甲子園だけではなく、全国高校総合体育大会(インターハイ)や総合文化祭(総文祭)、全国中学校体育大会(北海道・東北開催)も開かれています。パンディミックで学校生活が翻弄された世代ですが、家族や仲間、地域を思いながら活動している姿は胸を打ちます。こうした若人が、これからの社会を担っていくことを考えると、頼もしく感じます。
補習校でもこれまで約2年半、休止していたクラブ活動が再開に向けて動き出しました。先週はバレーボール部、サッカー部、野球部、テニス部、剣道部、茶道部などの合同説明会があり、放課後には「おいでよ、野球部」という看板を掲げて、勧誘する子どもたちの姿も見られました。
説明会会場には星一徹・飛雄馬父子の似顔絵や、「テニスの王子様、お姫様募集中」と書かれたポスターも登場して、活気に溢れていました。9月からの活動を予定していますので、関心のある方は各クラブ担当者へお問い合わせ下さい。
ところで日本では公立中学校の部活動を今後、地域団体や民間事業者に委ねる方向で改革が進んでいます。一方、行き過ぎた勝利至上主義を是正するために、小学校で全国大会が廃止された競技もあります。様々な課題もありますが、スポーツを通して仲間と切磋琢磨することには、大きな意味があります。
最近では「スポーツ鬼ごっこ」という昔ながらの鬼ごっこをもとに考案されたスポーツ(1チーム7人)が生まれ、全国大会も開かれています。大会は勝つことが先にあるのではなく、楽しむということに価値をおいているようです。
補習校でも休み時間、鬼ごっこやドッチボール、ケイドロ(ドロケイ)、ダルマさんがころんだなどに興じている姿があり、本当に楽しそうです。「よく学び、よく遊べ」というスローガンは、子どもたちへのプレゼントです。
2022年8月26日
アトランタ補習授業校
校 長 小 泉 敦