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はなみずき 1/27 /2023 #34(第104号)

来月予定されている小学部話し方大会(4日)、中高等部弁論大会(11日)に向けて、学級ごとに準備が進んでいます。先週も代表選考のために、クラスで発表する姿がありました。保護者も参観する中、堂々とした語りは立派です。中には暗唱して、スピーチしている子どももいました。

演題も様々です。ある先生から「校長先生のことを話す子どもがいます」とうかがい、教室へおじゃましました。原稿を確かめながらスピーチする子どもを前に、背筋が伸びる思いでした。改めて、一人の大人として、子どもの前では謙虚でありたいと、心に刻みました。子どもたちの感性は羨ましいほど瑞々しく、柔軟です。来週から行われる大会も楽しみです。

私は常に意識している「言葉」があります。“難しいことをやさしく、易しいことをふかく、深いことをおもしろく、面白いことをまじめに、真面目なことをゆかいに”(作家の故井上ひさし)。これからも多くの子どもたちに向き合い、共に成長できるよう、私自身もステップアップしていきたいと思います。


以前にお伝えした「友情人形 Friendship-Doll」を鑑賞するため、先週、アトランタ歴史博物館(リサーチセンター)へ出掛けてきました。1927年、アメリカから日本へ1万2千体余の「青い目の人形」が贈られ、その返礼として日本全国からアメリカ各州に50余の「黒い目の人形」が贈られました。

その後、戦争という不幸な歴史の中で日本に贈られた「青い目の人形」の多くは処分されます。しかし、アメリカに贈られた答礼人形(「黒い目の人形」)は今も、米国各州に保管されています。アラバマ州バーミングハム公立図書館には多くの子どもたちが書いた手紙と共に、「ミス岩手」が保管されていました。

アトランタ歴史博物館には、「ミス名古屋」が保管されています。学芸員のMs.Ericaさんによると、アトランタ公共図書館、ファーンバンク博物館、High Museum of Artを転々として、1999年以降、歴史博物館に収容されたとのことです。1985年、名古屋に一時帰国して修復された現物は意外に大きくて、驚きました(写真)。「青い目の人形」と「黒い目の人形」の歴史は日米文化交流の原点ともいえます。機会があれば、ご覧になってはいかがでしょうか。


“Time is Money”という言葉がありますが、今年もすでに一ヶ月が経ちます。私も残された日々を大切にしながら、子どもたちのために尽くしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。


2023年1月27日

アトランタ補習授業校

 校 長 小 泉 敦

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