10月28日(木)夜半のハリケーンの影響で停電となり、未だに通信環境が復旧していない地域もあります。私の自宅周辺も倒木によって様々な被害が見受けられます。どうか安全に過ごされますよう、お願いいたします。
週末の夕方、ウォーキングしている時でした。初老の女性がすれ違う際に話しかけてきました。「Are you Japanese?」。とっさに応えました「Yes!」。それから少しの間、会話が続きました。 彼女は昨年京都へ行って来たこと、素敵な街だったことなどを話していました。私は拙い英語で「I stayed in Kyoto when I was in college for eight years」と言うだけで精一杯でした。そのあとの話はよく覚えていませんが、とても幸せな気持ちに包まれました。もう出会うことはないかもしれないひと時、「一期一会」(いちごいちえ 一生に一度の出会い)のような出来事でした。しばらくして彼女は、「Nice meet you」といって立ち去っていきました。
10月末になり肌寒くなりました。同僚によれば、今朝のボストンは降雪です。 今年は気をつけてくださいという助言を受けて、先日インフルエンザの予防接種をしてきました。自分の健康はもちろんですが、この時期周りに迷惑をかけてはいけないと考えました。 日本的倫理観からでしょうか、小さい頃から「人に迷惑をかけない」ことを美徳にしてきたように思います。ただ、人生経験を積んで今思うのは、迷惑をかけるとか、迷惑を減らすということよりも、「迷惑をかけあえる関係」を築くことが大切ではないかということです。健康面は別ですが…。 マイナス面も含めて、他者を受け入れながら「心の垣根」を下げていき、「迷惑をかけていいよ、迷惑をかけない人なんていないから」ということを相手に伝えることが大切ではないでしょうか。とりわけ子どもたちに接するとき、このような気持ちを大事にしています。 人はひとりでは生きていけません。ましてや経験値の少ない子どもたちです。我々大人が全力でサポートしていかなければならないと思います。
先週から中学部の学級懇談会がはじまりました。保護者の方々には時間を割いていただき、本当にありがとうございます。保護者の声を受けながら、子どもたちの「学び」を大切にするため、校長としてできることを考えています。 その一つが「授業」に参加して子どもたちの活動に触れることです。先週は中学部2クラスに参加し、「食」に関する意見発表を聞く機会がありました。生徒はフリップを用意し、工夫しながら発表していました。大変頼もしく、立派でした。同じ課題でも雰囲気の違うクラスの状況や突然通信が不具合になってもチャレンジする子どもたちに接して、困難な状況の中で生徒と先生が共同して「授業」を創っていることを実感しました。折しも今年は国連世界食糧計画(WFP)がノーベル平和賞を受けました。日本発祥の「もったいない」を共有しながら、生きる基本である「食」を考えていってほしいと思いました。 それにしても生徒の発想は豊かで、斬新です。「なるほど!」「へ~」「凄い!」「やるな」と感心しきりでした。成長している姿に接することができ、有意義な時間になりました。
2020年10月30日
ジョージア日本語学校
校 長 小 泉 敦