2020年は私にとってもターニングポイントとなる、大きな一年でした。 33年間勤めた教員生活に区切りをつけ、海外で暮らす子ども達の力になるべく準備をしていた矢先、パンデミック(Pandemic)によって米国渡航が叶わず、自宅で過ごす日々が続きました。
思いがけずにできた時間をどう使うか・・。 まず積んであった資料整理に取りかかりました。教材やプリント、子ども達の作品など読み直しながら作業していると、時間を忘れてタイムスリップしたような感覚でした。 やんちゃ盛りが、今では立派な社会人として活躍する教え子。 農業後継者としてリンゴやニンニク、長ネギなどを生産する教え子。 初志を貫き、保育士として子どもたちと奮闘する教え子。 建設現場で働きながら、災害ボランティア員として派遣される教え子。 新聞記者として、政治や社会記事の発信に奔走する教え子。 中には病気や事故などにより、短い命を絶たれた教え子もいました。
卒業アルバムや文集、通信を通して、「あの日」に帰ったような気持ちになりました。 実家の小屋では、母親が保管してくれていた学校時代の作品を発見しました。 夏休みに描いた絵、授業で作った作品。中でもビックリしたのは「通信簿」(小・中・高)でした。
「三つ子の魂百まで」といいますが、恩師の的確なコメントに赤面しました。 先日、20歳を迎える教え子から「成人式」の招待状が届きました。出席は叶わないので、開催できることを祈り、「メッセージ」を贈りました。 中学校卒業から5年、それぞれの道を歩んでいることと思います。香港から新しい校舎の三戸中学校へ戻り、3年生に進級したみんなと一年間、社会科の授業を通して、共に学んだことは忘れません。「どこまでも続く長い道でも、ゴールは必ずある。どんなに辛くても、ゴールしたときの喜びは、ダイヤモンドにも代えがたい。だから僕は、生きている」。
私は今、アメリカのジョージア州アトランタで生活しています。60歳を迎えた今でも、ゴールがどこにあるのか全くわかりませんが、日本や世界の子どもたちが幸せになれるよう、もう少しチャレンジしたいと思っています。 困難な時代に入りました。こんな時だからこそ、心身の健康に気を付けながら、「一歩後退、二歩前進」の気持ちでやっていきましょう!無理せず、できることを少しずつ。 歴史に刻まれることになるだろう2020年が、まもなく閉じます。 新たな年に希望を託し、良い年を迎えたいものです。 皆さまどうぞ、年末年始を健やかにお過ごしください。
2020年12月18日
アトランタ補習授業校
校 長 小 泉 敦