弥生3月に入りました。思い起こせば3年前、この時期からコロナ感染が広がり、日本の学校では登校自粛、卒業式の延期・中止が議論されました。私は保護者の合意をもとに午前授業を続けて、予定通り卒業式・修了式を行いました。現職校長として最後でしたので、安堵したことを覚えています。
その後、4月初旬の渡米がキャンセルとなり、青森―アトランタをつなぎオンラインでミーティングをしましたが、歯がゆい思いでした。ようやく文科省からゴーサインが出たのは、8月のことです。
隔離生活後、学校に入ったのは9月中旬でした。この年は結局オンライン授業で、顔を合わせることが叶いませんでした。ただ、3月末の卒業式は多くの協力をいただき、体育館で行うことができました。感無量でした。
2年目は分散登校(3グループ制)となります。登校日数や人数が限られる中、仲間と語らい、ランチをとり、授業できる喜びに満ちていました。
そして今年度は4月から全面登校。児童生徒数も徐々に増えて、学校行事やクラブ活動も実施できるようになりました。3年ぶりとなった10月の運動会・球技大会の歓声や笑顔は、今も残ります。多くの労苦が報われた瞬間でした。
この3年間は活動が制限され、本来なら経験できたことが自由にならず、忸怩たる思いでした。しかし限られた時間の中、子どもたちのひたむきな姿に、何度も励まされました。
今年の卒業式・修了式は、“非日常”からの卒業・修了にしたい思いです。
私はまもなく任期を終えて帰国します。本当に多くの方にお世話になりました。明日4日(土)10時からの総会で、保護者の方々に直接ご挨拶したいと考えています。よろしくお願いいたします。
“For Children”(子どもたちのために)を念頭に務めてきましたが、何とか次にバトンを渡すことができそうです。リレーランナーとして何の迷いもなく学校現場を離れることができます。
今後はふる里・青森で、十和田湖近くにある廃校校舎を活用し、仲間とボランティアで子どもたちの学びをサポートするなど、アメリカで蓄えた力を活かしながら、家族と過ごしたいと思っています。
2023年3月3日
アトランタ補習授業校
校 長 小 泉 敦