一歩後退・二歩前進
私の教員生活の出発点は33年前の「父の死」です。全国的にも珍しい青森県の連合町村組合立、小中学校の新任校長として4か月、56歳でした。
京都で学生生活8年目の春、父から郵送された教員採用試験の書類に応じて、夏の試験に臨みました。一日目終了後、親元に連絡しても通じません。ようやく通じた電話先で母親が一言、「お父ちゃんが、死んだ」。涙も流れませんでした。その日は眠れぬまま宿で一夜を明かし、翌日の地元朝刊に「試合の朝、引率教師急死、めげずに県中学総体女子軟式庭球部準優勝、陰で応援・・泣きじゃくる選手」の記事が掲載されていました。その半年後、私は中学校の社会科教員として教壇に立ちます。まさに、父の導きでした。私の教員生活の原点(初心)は、ここにあります。
それから、インドネシア・ジャカルタ日本人学校中学部の教諭、香港日本人学校中学部の教頭を経験する機会にも恵まれて、今春退職しました。最後は父が勤めていた小中学校で終えたいという思いがありましたが、2017年春に閉校、夢は叶いませんでした。しかし、この度、アメリカ・アトランタの地で多くの子どもたちやスタッフと共に、学校づくりに携わるチャンスをいただきました。有り難いことです。
私のモットーは、「一歩後退、二歩前進」です。昨今、世界中が厳しい状況の中にありますが、いつの日にか必ず、乗り越えられるものと信じています。暗い夜にも、必ず朝は来ます。上を向いて、歩んでいきたいものです。「どこまでも続く長い道でも、ゴールは必ずある。ゴールした時の喜びはダイヤモンドにも代えがたい。だから、僕は生きている」(チャップリン)。
さあ、今日からダイヤモンドを見つける旅に出かけましょう。全力で、応援します!